社会に必要なIoTはコレ!NEDO「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業」公募のポイント解説①
#IoT #NEDO #支援制度 #公募 #RFID #電子レシート #健康管理 #高齢者 #自治体インフラ #保育事業 #認知症予防/改善 #運送事業人手不足解消
上野動物園の生後3ヶ月の歯が生えてきた赤ちゃんパンダの名前が気になる妄想ダイスキOKstyleです。
先日に引き続き、支援制度に触れてみたいと思います。
今日みる支援制度は「補助金/助成金、委託事業」のこの公募案件
支援制度にも、いろいろあり、大きくわけると
・融資・保証
・優遇税制
・補助金/助成金、委託事業
・出資
・経営支援/相談
・ビジネスプラン/コンテスト募集・表彰
の6つあります。
今日は支援制度の中でも「補助金/助成金、委託事業」に入るIoT活用公募案件の内容をポイント押さえて、「日本の国としてどうしていきたいのか」「何が求められているのか」をみていきたいと思います。
ピックアップする公募案件はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業」です。
NEDO「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業」説明会に出席
実は昨日2017年9月12日、大同生命霞ヶ関ビルにありますNEDOの霞ヶ関分室で行われた公募説明会に参加してきました。
今回の公募を分類すると二つに分かれます。
① 研究(委託、共同研究、助成)
② 調査等
①については、文字どおりにIoT関連の技術についての研究開発になります。たとえば、RFIDや電子レシートなど技術テーマが4つ与えられています。
②については調べるだけのリサーチというよりも、実証研究およびテスト調査といった実用化にむけたフラットフォームの構築の委託事業になります。①とは違い、団塊の親世代の高齢者の健康管理や保育事業、運送事業の人手不足解消、自治体連携など領域ごとのテーマが与えられていて特に技術的な指定はされていないです。どちらもテーマに対する具体的な提案が求められています。
NEDOにおける今回の公募の位置づけとしては、
①社会インフラ運営システムの開発
②IoT技術を活用した新たな産業保安システムの開発
③生産管理システム
④次世代航空機運航支援システム開発(採択選定中)上記4つとは別に新規課題に関する先導研究の第2回公募
IoTに関する第2回目の公募となっております。公募にあたっては、経済産業省およびIoT推進ラボとテーマ選定を行っていて、日本の国としての方向性を盛り込んでいます。
先日もテーマについてはご紹介しましたが、そのテーマのポイントからIoTに求められるものを解説していきます。
※解説に入る前に、一つ注意していただきたいのは、国の意志・思惑に合わせることが目的ではなくて、あくまで参考情報として見てください。イメージとしては、
「これからIoTビジネスで何をしようか悩んでいて、ヒントが欲しい」
「現在IoTビジネスをしているが、方向性を見直ししたい」
のような方が活用できるかもしれないです。そのほかの方は、たまたまやっていることが近かったなどあるかと思いますが、公募要件に寄せていく必要はありませんし、支援制度を目的に寄せていくと、長い目で見て競争力を失う可能性があるのでご注意ください。
まずは、研究(委託、共同研究、助成)の4テーマ
研究(委託、共同研究、助成)のテーマについては
先導研究テーマ1:「電子タグを用いたサプライチェーンの情報共有システムの構築に関する研究開発」
先導研究テーマ2:「電子レシートの標準データフォーマット及びAPIの研究開発」
先導研究テーマ3:「運送事業者間での位置情報の共有・利活用を通じた生産性及びエネルギー使用効率高度化に関する研究開発」
先導研究テーマ4:「IoT技術を活用した地方自治体管理施設の効率的点検・管理手法に関する研究開発」
となっております。
テーマ1のRFIDで解決したい社会課題としては、
「人口減少に伴う 人手不足・需要不足」「地球環境への影響の深刻化」の問題からくる「効率的かつ持続可能なサプライチ ェーンの構築」になります。
もう少し噛み砕くと、
商品がお客さんの手元に渡るまでに「メーカー → 物流 → 卸売 → 小売」と流れます。
商品はトスされるだけで、各領域で情報が分断されているため、「どこに、何の商品を、いくつ配置すべきか」をサプライチェーン全体を俯瞰してリアルタイムに管理することが難しくなっています。
それを全体を俯瞰してリアルタイムに管理することでムダをなくすことで、環境負荷軽減、流通業の生産性をあげようという感じです。
その中でRFIDに求められるのは、業界・領域を跨いで使える基準で、
「情報共有システムの標準仕様」
「電子タグへ書き込む識別コードについて、商品はSGTIN(Serialized Global Trade Item Number)、商品以外は国際的なGS1 識別コード(EPC(Electronic Product Code)にする」
「情報共有システムは、EPCIS(ElectronicProductCodeInformationServices)に則る」
「実運用に耐えられるオペレーションの効率化に資する情報を得るためのアプリケーション」
の4点になります。
(参考)「コンビニ電子タグ 1000 億枚宣言」を策定しました~サプライチェーンに内在する社会 課題の解決に向けて~
テーマ2の電子レシートで解決したい社会課題は、
「人口減少に伴う需要減少」「消費の多様化の進展」の問題からくる「個人消費の拡大」です。
大量消費の時代からニーズ多様化に変化し、消費者1人1人をしっかり理解したいが、POS(point of sale)データは各小売事業者で分断されているため、特定の個人がどのように買い回りをしているかを見通すことはできないことから、個人消費の停滞が問題になっています。
電子レシートには、
「個人がスマホアプリを通じて、複数の小売事業者の異なる電子レシートサーバーから自身の電子レシートを参照する際に利用する標準API」
「電子レシートをスマートフォンで管理できるアプリケーション(Android, iOS)」
「電子レシートに関わる各プレーヤー(電子レシートを発行する小売 事業者、電子レシートを受け取る消費者、電子レシートサービスを提供するシステムベンダー、 電子レシートデータの利活用を希望する商品メーカー・IT ベンダー等)のニーズ」
の3点が求められています。
テーマ3の運送事業者間の位置情報共有・利活用については、
トラック運送事業者にとっては、労働力不足や、配送の多品種小ロット化が進む中、適切 な運行管理により最適な配送ルートを構築することが求められています。
事業者の枠を超えて、安全かつ全体最適な配送ルートを構築することで、荷主・運送 両事業者にとって利益になっていくと考えられます。
そのためには、
「異なる運送事業者間での位置情報等を共有する仕組み」
「位置情報等の共有のために運行管理計・動態管理システムに 求められる機能や、データの利用にかかる契約事項の整理」
の2点が求められています。
テーマ4の地方自治体の施設管理については、
自治体が管理する施設は、高度経済成長で建てたものが40年、50年を迎えるものがたくさん出てくるが、ベテラン点検員の減少、人手不足で管理が難しくなっていくことから、より一層適切で効率的な維持・管理が重要となってきます。
IoT 技術を活用による社会インフラ構造物のリアルタイムの監視は、劣化に起因する潜在的な危険の回避や点検・診断等への支援が重要となり、その結果、社会インフラを長寿命化、社会インフラ維持コスト低減、省エネ効果も期待でき、安心安全な社会インフラの持続が可能になると期待できます。
そのためには、
「IoT 技術(センサ、画像処理、点検支援機器 等)等の活用により効率的に実施する手法」
「自治体の現場において実現性・実用性が見込まれる手法であり、かつ導入容易性や経済性に優れたもの」
の2点が求められています。
ということで長くなってしまったので「調査等」については次回解説します!あっそういえば、今朝には具体的になったAppleで行われた最新のiPhone発表会イベントの内容が気になります。iPhone8にiPhoneX(^^)
最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m