先進的な「オープンデータ」の活用事例をミル
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あらゆるモノをネットにつなげる「Internet of Things」(IoT)を毎日考えている妄想ダイスキOKstyleです。
どこまでがオープンデータなの!?
ここまでご紹介したオープンデータは、数値などのデータが主なものでしたが、オープンデータは数値だけではないんです。
数値以外には、著作権保護期間が終了した誰でも自由に使用可能になった写真や芸術作品の画像、映像なども含まれます。
図書館や博物館、美術館などがこうしたデータを提供する動きが広がっています。
具体例としては、
人文学オープンデータ共同利用センターによる「日本古典籍データセット」や
大阪市立図書館による昔の写真・絵はがきの画像の提供
などが知られています。
船橋市立図書館では、地元にゆかりのある浮世絵の画像を絵はがきにして販売し、900セットが約2週間で完売するなどのヒット商品となっています。
また、雑誌「婦人画報」の付録(ステンシル)に、国文学研究資料館が公開している中村芳中「光琳画譜」の子犬の画像が使用されるなど、芸術作品を活用した商品開発事例が多くなってきています。
また、地方自治体では観光産業むけに名所などの写真をフリー素材として提供する例も多くなっています。
シェアリングエコノミーによるデータのオープン化が加速
最近、急激に伸びて注目が高まっているシェリングエコノミーも、実はオープンデータと関連性があります。
多くのシェリングエコノミーをイメージしてみてください。
シェアリングエコノミーは、
「どこに、何が、どれだけ、どんな状態であるのか」
といったモノの「状況」を示す情報を公開し、提供者と利用者のマッチングを行っています。
稼働状況のデータをシェアする対象は、
自動車や自転車、工具などの物品からタクシーや宿泊などのサービス、空いている駐車場や会議室など
多岐にわたります。
シェアリングエコノミーを都市政策として進めるソウル市では、公的な会議室や備品などの稼働状況を把握・公開し市民に貸し出すことも行っています。
企業と行政が連携するMaaSの事例
多数の企業と行政が連携する高度な事例を見ていきましょう!
※MaaS : Mobility as a Service (略して、MaaS:サービスとしての交通)
MaaS自体は、様々な交通手段を駆使して目的地への最適な移動を可能とするサービスのことです。
これ自体は、既存の乗り換え検索サービスに近いですが、
電車やバスに加えて、自転車やタクシー、ライドシェアなどを含む多種多様な交通手段の運行・利用状況、混雑度などの情報を高度に組み合わせ、アプリ内で予約や決済、
その他の情報サービスも組み合わせており、単なる検索サービスに比べても利便性が高くなっています。
MaaSの先進地であるフィンランドのヘルキンシ市では、
日本のトヨタなども出資している「MaaS Global」という企業が中心となり、電車、路面電車、バス、タクシー、自転車シェア、ライドシェアなどの情報を統合したスマートフォンアプリ「Whim」を提供しています。
東京では現在、複数の鉄道・バス会社などが協力し、時刻表や列車の位置情報などを共通形式で公開してそれらを利用したアプリのコンテスト「東京公共交通オープンデータチャレンジ」を実施しており、東京でもMaaSにむけた取り組みが始まっています。
他にも、営業企画や店舗出店のための地域分析に様々なデータを組み合わせて活用している事例や、データ活用ビジネスむけにデータを収集したり、整形・加工したりするビジネスも伸びています。
こういったように無料で使いやすいオープンデータの整備が社会的に進み、関連ビジネスが続々と登場している状況は、データの作成や加工・分析に割り当てる人材や資金がもともと豊富な大企業よりも、中小企業や新興企業の方が柔軟に対応でき、恩恵が大きいと思います。
ぜひ、各地の先進事例をミテ、新なビジネスの創出やアイデアはあるけどリソースが不足している時に活かしていきましょう!
それでは今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m
【参考URL】
・人文学オープンデータ共同利用センター「日本古典籍データセット」
・大阪市立図書館 ニュース 2017/2/23「図書館所蔵の昔の写真・絵はがき等画像をオープンデータ化」
大阪市立図書館が所蔵する昔の写真・絵はがき等デジタルアーカイブの画像をオープンデータ化します
大阪市立図書館では、平成29年3月2日(木)より、大阪市立図書館デジタルアーカイブで公開している著作権の切れた昔の写真や絵はがき等のコレクションの画像をオープンデータとして提供を開始します。
開始時のコンテンツは約6千点、画像:約13万枚です。「菱垣新綿番船川口出帆之図 」
- 公共図書館としてははじめての試み
デジタルアーカイブのオープンデータ化は、公共図書館としては日本で初めての試みです。
(公共図書館以外では、京都府立京都学・歴彩館が国宝東寺百合文書をオープンデータとして提供されています)- 加工も商用利用もできるクリエイティブ・コモンズ・ライセンス「CC-BY」で提供
「大阪市オープンデータの取組に関する指針」や「大阪市ICT戦略」に則り、地域経済の活性化に資することを目的に、加工も商用利用も許容するクリエイティブ・コモンズ・ライセンスにおける「CC-BY」の条件で、図書館のデジタルアーカイブのコンテンツの中から、著作権の切れた文化資源をオープンデータとして提供を開始します。- 提供する画像
図書館のデジタルアーカイブで公開している画像のうち、著作権の切れているものを提供します。その中には、浪花百景などの錦絵、浄瑠璃本、百人一首文庫や昨年8月に国の重要文化財の指定を受けた「間重富・間家文書」といったコレクションも含まれています。
大阪市立図書館デジタルアーカイブとは
大阪市立図書館では、平成8年度より大阪の昔の写真や絵はがき、古文書等の画像を図書館内の利用者用端末で公開し、平成13年度からはホームページ上でも公開しました。平成26年1月からは画像データの検索機能の豊富化を図り、デジタルアーカイブとしてリニューアルし、現在、約2万8千点を公開しています。
⇒大阪市立図書館デジタルアーカイブ
- 関連展示
3月3日(金曜日)より、中央図書館2階で、オープンデータ関連図書やデジタルアーカイブ画像の展示を行います。
⇒2階ミニ展示「オープンデータ活用術」- 関連イベント
中央図書館 間家文書重要文化財指定記念講演会「間重富と科学」 2月26日(日)[終了しました]
中央図書館 大阪市史編纂所セミナー「写真に見る近代の大阪」 3月4日(土)[終了しました]大阪市立難波市民学習センター
昔の写真を持ち寄って『昭和時代の大阪のまちにタイムスリップ!?』ワークショップ 2月25日(土)[終了しました]
当館デジタルアーカイブについて、大阪市立図書館職員がご紹介します。
- これからの予定
3月5日(日曜日)の「第8回LOD(リンクト・オープン・データ)ハッカソン関西inインターナショナル・オープンデータ・デイ大阪2017」のイベントにおいて、当館のオープンデータとなったデジタルアーカイブ画像を活用していただく予定です。
今後、利活用促進に向け、他機関等とのコラボやデジタルアーカイブ画像の人気コンテスト等も開催予定です。
・スマホアプリ「Whim」